Extended Prom Rimix Vol.3〜完結編です


使っている辞書がもう10年以上前のものなので(辞書のせいにするなぁ〜!)知らない単語もずいぶん増えてきましたが、おととい、昨日の両日で7ページ中5ページ半読みました。今日最後まで読みます。あ〜あ電子辞書、欲しいなあ。買っちゃおうかなあ。


「チャーリーとの約束に遅れますよ」エズミがエドワードに促した。
「そうだね、さあ行こう」。彼はあたしをドアへと抱きかかえていく。
「チャーリーも一枚かんでるのね」。あたしは歯ぎしりしながら聞いた。
「もちろんさ!」エドワードはにやりと笑った。

抱きかかえられながらドアの外に出てもぼんやりしていたので、最初は気がつかなかった。銀色の車に乗せてくれたけど、ボルボじゃなかった。
「この車はなに?」見慣れない形のクーペだ。「ボルボはどこ?」
ボルボにはいつも乗ってるだろ?」彼はあたしの反応を探りながら、慎重に切り出した。「これはとっておきの車さ」。
「チャーリーは何て言うかしら」あたしは彼が車に乗り込んでエンジンをかけるのを見ながら頭を振った。
「フォークスに住んでいる人なら、カーライルが熱心な車の収集家ってことは誰だって知ってるさ」森を通り抜け、高速へと乗り入れていく。「それに、この車は僕の趣味でもあるしね。ロザリーも車が大好きだけど、彼女は運転するよりもエンジンまわりをいじるのに熱中してる。だからこの車に対してもいろいろ手を入れてくれたよ」
あたしはドライブしながらも、なんでチャーリーの家に戻らなければいけないのかと不思議に思っていた。家の前についた瞬間でさえ。まだ夜にはなっていないのに、ポーチには灯りがともっている。チャーリーは待ち構えていて、きっと窓のところからこちらを見ているに違いない・・・。そう考えた途端、チャーリーがあたしのドレス姿を一目見た時の反応を想像してしまい、真っ赤になってしまう。
エドワードは、チャーリーが窓から見てるとあたしが思っているのがわかっているみたいに、彼にしてはゆっくりと車を降り、助手席側へとまわってきた。
エドワードは注意深くあたしを車から降ろしてくれた。チャーリーは普段と変わらない様子で出迎えてくれる。あたしの頬は真っ赤になる。エドワードは何か言いたそうにしてあたしの方を見たけれど、あたしは何も心配してなんかなかった。だって、チャーリーは絶対にあたしの方を見ようとしてなかったから。

アストンマーチンか」チャーリーがかしこまった声で聞く。
「ええ、ヴァンキッシュです」興奮気味に言いかけたけど、ちゃんとコントロールしてる。
チャーリーは低く口笛を吹いた。
「運転してみませんか?」キーを掲げてエドワードがチャーリーに聞いた。
やっとチャーリーの視線が車から離れてエドワードへと向けられる。どこかに期待がにじんでいるけれど信じられないような目つきで彼を見る。しぶしぶ「やめておくよ」と言う。「君のおとうさんが何とおっしゃるかな?」
「カーライルは気になんかしませんよ」心がこもった口調でそう言って笑う。「さあ、乗って」そう言うと、期待でいっぱいのチャーリーの手にキーを握らせた。
「じゃあ、スピンを決めてくるかな」チャーリーは心ここにあらずといった様子で、もうすでに片手は車のドアをさわってる。

エドワードはふらつくあたしをドアのところまで連れて行ってくれると、抱きかかえて中に入り、キッチンへと連れて行ってくれた。
「うまくやってくれてありがと。おかげで、チャーリーはあたしのドレスについて何も言わずにすんだわ」エドワードは目をぱちぱちさせた。「別にそうしようと思ったわけじゃないけど」そう言いつつ、彼の視線はまたあたしのドレスをとらえてる。あたしは、とにかくチャーリーがドレスのことにふれなかったからホッとしていた。

と、ここで、やっとエドワードの視線の先にあるものに気がついた。視線の先はいつもとは雰囲気が違ってた。20本、ううん30本はあろうかという高くて白いキャンドルがそこかしこに置かれてる。古いテーブルには白いクロスがあしらわれ、同じように白いカバーがされた椅子が2つ置いてある。
「このために今日一日頑張ったの?」
「いや、セッティングはあっという間さ。それより料理に時間を割いたんだ。今日のディナーをどうしようかっていう選択肢は一杯あったさ。その気になれば、しゃれたお店に予約をとることだってできた。でもきっとそんなことはきみは望まないだろ?だからこそ僕はこのキッチンで、と考えたんだ」
彼は椅子にあたしを座らせてくれて、料理の仕上げのためにオーブンと冷蔵庫のあいだを行ったり来たりしはじめた。テーブルの上にセッティングされたプレートは一人分だけだ。
「チャーリーの分も作ったの?毎晩家で食べるのが習慣なのよ」と聞いてみた。
「チャーリーによそで食事なんかさせないよ。そもそも、一体だれが味見してくれたと思ってるのさ。ちゃんと食べられるものをださないとマズいだろ?」。そう言ってあたしの前に料理がたくさん載せたお皿を置いてくれた。たしかに食べられそうね・・・・。あたしはため息をついた。

「ねえ、まだ怒ってるの?」。そう尋ねながらもうひとつの椅子をあたしの横に引っ張ってきて隣に座る。
「怒ってないわ。ううん、やっぱり怒ってる。こんなことしてくれなくてよかったのにって。それに、あたしの方がきっと上手に作れるわ。たしかに見た感じはすごいけど」。そう言ってまたため息をついた。
エドワードは微笑んだ。「まだ食べてみてないだろ?おいしいかもしれないし、ひどいかもしれないよ」
あたしは一口食べてみて、とりすました表情をしてみせた。
「おいしくないの・・・・?」心配そうに聞いてくる。
「ううん、素敵よ。これぞ料理ってかんじがする」
「よかった」素敵過ぎる微笑みを浮かべてる。「心配しなくていいよ、まだ食べきれないほどいっぱいあるからね」
「言ったわね!」

エドワードは返事をせずに黙ってあたしの鎖骨のくぼみにそって冷たい指先を軽くすべらせていく。あたしの肌が真っ赤になるまで煙ったような目つきでじっとあたしを見つめてた。

「これなんだよな」エドワードはつぶやくと、あたしの真っ赤に染まった首筋をそっとなでる。「きみみたいに真っ赤になる人なんてみたことないよ」
「ごあいさつね」。にらみつけてやった。「条件反射なんだから仕方ないじゃないの」
「きみは僕の知っている人の中で一番勇気があるよ」
「勇気ですって?」自嘲気味につぶやく。
「きみは自由になる時間はすべてぼくたちと過ごすために使ってくれてるだろ?それってとても神経をすり減らしているはずだ。それに、危険すぎるほどぼくに近づくのをちっとも怖がってない」あたしは頭をふった「何も心配することなんてないから」
彼は笑いながら言った。「ぼくは真剣なんだよ。でも君はなにも心配しないで食べて」
もどかしそうな様子でフォークを手渡してくれたから、食べることにした。もちろん料理はすべて完璧でおいしかった。

あたしが食べ終わった頃、やっとチャーリーが戻ってきた。あたしは彼の表情を盗み見たけど、あたしの運はまだ続いていた。彼はすっかりヴァンキッシュに魅了されてしまって、あたしのドレスどころじゃないみたい。彼はエドワードにキーを返した。
「ありがとうエドワード」夢見心地の表情で言う。「すごい車だな」
「どういたしまして」とエドワード。
「料理はどうだったかな?」。あたしの前の空のお皿をみてチャーリーが聞いてくる。
「サイコーよ」
「わかっているだろうが、私たちのためにエドワードがどれだけ努力してくれたか忘れちゃだめだぞ」
「わかってるってば、パパ」。エドワードをじろりと見ながら返事をした。

あたしたちが出かける時間になっても、チャーリーはまだ起きていた。あたしは片方しか靴を履けないから、エドワードがウエストに手をまわしてずっと支えててくれている。
「なあ、ベラ。ずいぶん大人っぽくなったな・・・」やっと父親らしい”もろ手を挙げて賛成はしてないぞ”って感じのコメントが聞けた。
「アリスがドレスアップしてくれたの。あたしはこんなことしてくれなくていいって言ったんだけど」
エドワードのあたしにしか聞こえない笑い声が聞こえる。
「アリスがいろいろしてくれたとしても・・・・」チャーリーの声はだんだん小さくなる。だいぶ気が静まってきたみたい。「とてもきれいだよ、ベラ」そう言ってくれる。「ところで、タキシードを着た若い男はもう誰も来ないだろうね」
あたしはうめくとエドワードを盗み見た。タイラーの目はきっと節穴だ。何もわかってないもの。あくまでもチャーリーの目が届かない学校に限ってだったけど、エドワードとあたしは行き帰りはいつも一緒、授業のための教室移動もほとんどエドワードがつきそってくれてるし、ランチのときはエドワードのきょうだいも一緒にいる。それにエドワードは大胆だからまわりに人がいたって平気でキスしてくる。それなのに・・・・タイラーは絶対専門家の手助けが必要だ。
「そうだといいですけどね」エドワードはにんまり笑ってパパを見た。「冷蔵庫の中はまだ一杯ですよ。食べてくださいね」
「そうするよ」

とうとう、プロムに出かけるときがやってきた。あたしたちは車に乗り込んだ。


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料理もできるんだ、エドワードって!!「エドワードはなんでもできてしまう」「なにもやらせてもうまい」という本編の記述を裏付ける証拠ですね!!
明日以降はOuttakesの中の「Emmett and the Bear」を読んでいきたいと思います。エドワードの料理が上手な訳もわかる内容となっています。それから・・・・・・(あとはおたのしみ!〜アリスみたいに言っちゃった!!!)
今月5日にも「プロムの別バージョン」のあらすじをまとめてますが、最後のほうのチャーリーとエドワードの会話のところにあきらかな誤訳がありました。ごめんなさい。今日読んでみてわかったのですが、「タキシードを着た若い男はもう来ないだろうね」と訳すところを「このタキシードを着た男の子が今夜の主役なのかね」なんてヘンな訳をつけてました。前後を読むとタイラーのことが書いてあるので、あきらかに誤訳です。訂正してお詫び申し上げます。5日の日記も直しておきました。これからも、読み直してみて、間違いをみつけたら直しておきます。


さて、昨日予告した通り、今日の写真は「Twilight Outtakes」を読んで、衝動買いしてしまった私の秘蔵品。そう、「プロムの別バージョン」に出てきた「アストンマーチンヴァンキッシュ」です。もちろんホンモノは3000万円くらいしますから、ミニカーですけど(あたりまえだっちゅうに)。それでもお値段4500円くらいしましたです。カッコいいでしょ。また収集癖がでてきそう。これからしばらくミニカー集めにはまるかも。ヤバイです。