Twilight Outtakesの続きの続き


一日遅れで、Twilight Outtakesの「Shopping with Alice」の中間部分です。あまりに長いので、当初の前・後に分ける予定を変更して、前・中・後にさせていただきます。これもヘッポコ語学力のせいです。ごめんなさい。


今日も長いぞ!それでも付き合ってくださる方も、ここまでで充分!って方も人気ブログランキングへ


アリスは車に積み込まれていく荷物の中から自分のバッグをすばやく取り出した。ジャスパーにサングラスを手渡すと自分もかけた。そしてあたしにはサングラスの他にヘアブラシも。それから彼女は着ていたTシャツの上に薄手の透き通るような素材の長袖の服を着て、最後に帽子をかぶった。彼女が身にまとった服は、逃避行にぴったりってかんじ。アリスはひとつかみ服をとるとボール状にくるくるまとめて枕のようにしたものを、後部座席へぽんと放りこんだ。「すぐに眠って」彼女はきっぱりと言った。あたしは素直にシートに横たわった。枕を頭の下にいれてみたけれど、やっぱりやめて抱え込むようにした。「ベラ、心配しないで眠るのよ」彼女の声に心が安らぐ。「ありがと・・・・」あたしは一息つくとまどろみに入った。
でもそのまどろみは嫌な思い出や窮屈な姿勢で横たわっていたせいで長くは続かない。疲れ果てているのに急にイライラした気持ちになり、そのたびに自分が今どこにいるかを思い知らされる。あたしは起き上がると目の前に見える丘に日差しが差し込むのを見つめた。見渡してみると平らなタイルの屋根の家、ヤシの木、高速道路、スモッグにつつまれた大気やスイミングプール、山というには低すぎる丘陵地帯といった見慣れた光景が目に入る。そこであたしに襲ってきた感覚に驚いた。あたしはこの場所ではなく、低くたれこめる雲におおわれていて、何もかもがグリーンにまみれている、つまりエドワードと一緒にいられる場所にホームシックを感じたのだ。あたしは頭を振ると、絶望の淵から逃れようと努力した。
気がつくと、アリスとジャスパーは何事か話していた。でも彼らはあたしには何も言ってこない。彼らの早口でやわらかな、片方は低く片方は高い、まるで歌っているかのような口調があたしを取り巻く。あたしは彼らの話をだまって聞いていることにした。
「ベラ、空港へはどう行くの?」とアリスが聞いてきた。「このまま10号線をすすんで。すぐそばを通るから」何も考えずに答えた。答えながらも寝不足で頭がぼうっとしてる。「飛行機にのってどこかいくの?」と聞いてみた。「ううん、そうじゃないの。でも空港のそばにいたほうがいいわ」そういうと、アリスは携帯を取り出して番号案内に電話をした。ごく普通の口調で空港の近くのホテルの電話番号を尋ねている。そしてある番号に電話をした。「クリスチャン・ボウワー」という名前で予約をしている。クレジットカードの番号をカードを見ることなくすらすらと言っている。ホテルのオペレーターのためにすらすらと暗記で復唱してあげているのをみて、あらためて彼女の能力の高さに舌をまいた。
携帯をながめているうちに、自分が果たさなければいけない責任があることを思い出した。「ねえ、アリス」。アリスが電話を終えたときに言ってみた。「あたし、パパに電話しなくちゃ」。あたしの声はおちついている。彼女は携帯を手渡してくれた。時刻は夕方に近いころだった。あたしはチャーリーが仕事に行ってくれていることを願った。でもたった一度のコール音で電話はとられた。あたしは電話の前のチャーリーの心配そうな顔が目に浮かび、すくんでしまった。「パパ・・・・?」恐る恐る言ってみた。「ベラ!どこにいるんだい?」心配そうな声が聞いてくる。「まだ途中なの・・・・」あたしが三日三晩、夜通しドライブしつづけてるなんてことは言う必要はない。
「ベラ、もどっておいで」
「あたしは一度フェニックスに行きたいの」
「ベラ、そのことについて話そうじゃないか。何もあいつのせいで家出をすることはないじゃないか」
「パパ、ちょっと時間をちょうだい。考える時間が欲しいの。考えがまとまったら必ず帰るから、何も心配しないで」。あたしの声は震えてた。「パパ、愛してる。あたしの決断がどうなるにせよ、必ず帰るから。約束するわ」
「わかったよ、ベラ」チャーリーの声はあきらめた感じ。「フェニックスについたら電話をくれ」
「ママのうちについたらかけるね。じゃあね」
「じゃあな、ベラ」。ためらいながら、チャーリーは電話を切った。
まずは、仲直りができた・・・そう思いながらアリスに携帯を返した。彼女はあたしが動転しているんじゃないかと思ったみたいでしばらくじっと見ていたけれど、あたしはただ疲れていただけだった。


ここまでで、1ページ分。長いですね。ちょうどキリがいいのでここでやめときます。明日は最後まで書きます。でも、あと2ページあるんですけどぉ・・・。そのうち四分の一は本編と同じなので省略できるかな。