午砲(The Noonday Gun)を見学


がきんちょどもとめずらしく意見が合って、どこか香港らしいところに行ってそれから何かおいしいものでも食べよう!!ということになりました。が、今日も今日とて午前中から英語のレッスンがあったり、午後から夏期講習があったりで、思うようなところにいけません。というわけで、ほんの1分ほどで見学が終わっちゃう香港名所に行ってきました。


ほんの1分で見学が終わる場所とは……銅鑼湾の海に面してある「午砲」(The Noonday Gun)です。


以下パンフレットより抜粋+私なりの見解


アヘン貿易で名を成した「ジャーディン商会」が今も行っている「午砲」。起源はあきらかではないけれど、イギリス統治の初期のころから行われているようです。
「午砲」がある場所は香港で公売にかけられた土地の最初の区画に位置しており、ジャーディン商会はここを1841年に買い取ったそうです。
ちょうどその頃、ジャーディン商会は独自の砲兵中隊と護衛兵の部隊を持っており、商会の社長〜社長ではなく、「大班(タイパン)」という名称で呼ばれていました〜が香港の港を出入りするときはいつも礼砲を撃つのが伝統となっていたそうです。

そんな折、まだ香港に来てまもないイギリス海軍将官がジャーディン商会の伝統を知らないまま、この「午砲」を耳にして大騒ぎ。気に障った将官が命じた「罰則としてジャーディン商会は毎日正午に香港の時砲として空砲を撃つように」という命をずっと守ってきている伝統的行事なのです。

ずっと守ってきている伝統…と書きましたが、1941年12月に香港が占領されるまでは綿々と続いていたのですが、一時中断となります。
ここで気になるのがパンフレットの表記。英語と広東語と日本語の3ヶ国語対応なのですが、英語と日本語版には「until Hong Kong was occupied in December 1941」「1941年12月に香港が占領されるまで」となっていますが、広東語表記にはそのものずばり「如是者至一九四一年十二月、日軍占拠香港」と書いてあります。つまり日軍=日本軍による占領(香港ではBlack Christmasという名で有名)のせいで中断されたわけです。

戦争中にこの最初の大砲は行方不明となってしまいますが、戦後イギリス海軍がジャーディン商会に代わりの大砲を贈り、1947年8月から再開。その後1961年に「空砲の音がうるさい!」という苦情に基づいて大砲が取り替えられたくらいで、ずっと歴史をきざんできています。

今では大晦日の午前0時にも撃たれますし、チャリティのために、「マインドセット」という団体に決められた金額の寄付をすれば、大砲を撃たせてもらえます。

マインドセット「思健」はこちら
http://www.mindset.org.hk/aboutus/aboutus_mindset.php

金額はHPには載っていないんだけど、すかっと一発大砲を撃って自分もスッキリ、社会貢献にも一役買いたい人は、ぜひぜひメールで問い合わせてください。多分一発50万円とかしそうだけど(それくらいの金額に指定しておかないと、あまり安いと大砲が撃ちまくられちゃいます)。



11時59分になるとおじちゃんがおもむろにやってきて


大砲の左にある鐘を二回ならします


ちらりと時計に目をやったかと思うと「ずど〜ん」と一発。あまりの音の大きさに悲鳴をあげた私(へタレ)


おじちゃんは涼しい顔で香港とジャーディン商会の旗に向かって軽く一礼


また鐘を二回ならして


なにごともなかったかのように去っていきます。この後30分くらい砲台の敷地内を開放してくれます(大砲には触れることはできませんが)



さて、この「午砲」に行くには道の反対側にある「世界貿易中心(World Trade Centre)の地下駐車場から行けますが、この地下駐車場への入り口がなかなかわかりにくいです。建物の中から探すよりかは建物横の入り口から入ったほうが簡単かもしれません……。一度行けばコツはつかめますが、そうそう何度も行く場所ではないから(といいつつ、また行くかも。あのでかい音をもう一度聞きたい!!)。地下駐車場からの入り口は海の水を建物へ通すパイプが数本通っています


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