「ハートロッカー」The Hurt Lockerを観に行きました


今年のアカデミー賞を席捲した「ハートロッカー」The Hurt Lockerを観に行ってきました。

日本では3月6日から公開の「ハートロッカー」。公式HPは→コチラ

香港ではthe Grand Cinemaという映画館で上映してくれるのですが、ここが我が家からはなんとも行きにくい場所で…(涙)。でも背に腹は変えられないので、頑張っていってきました。


「ハートロッカー」。ウィキによると、「極限の苦痛地帯」もしくは「棺桶」のアメリカ軍用語の隠語だそうです。


この映画、前評判では「無名の俳優を起用」とありましたが、映画がはじまってみると、「メメント」のガイ・ピアースが登場5分で死に、

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ハートロッカーを監督したキャスリン・ビグロウの作品でもある「K-19」にも出てるクリスチャン・カマルゴもあっけなく死んでしまい

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私はよくわからないうちにイギリスの名優レイフ・ファインズも登場

挙句の果てに、主役のウィリアム・ジェームズ一等軍曹の元妻役に「Lost」のエヴァンジェリン・リリー登場

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ほほう、なかなかの豪華キャストですな。


主役のウィリアム・ジェームズ一等軍曹を演じた、ジェレミー・レナー。オスカー獲らせてあげたかったですが、そうは問屋がおろさないですよね(笑)。この俳優さん、どこかでみたことがあるなぁと思っていたら、ツタヤのホラーコーナーで妙にインパクトのあったこの映画に主演していたのでした。そもそも、この映画(はっきりいってB級)を見たキャスリン・ビグロウ監督がハート・ロッカーの主役に彼を抜擢したという経緯があるようです。

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で、映画の感想は……


英語での鑑賞だったし、軍隊用語だし、訳わからないこともいっぱいありましたが、心に痛い映画でした。イラクの市井の人々もお気の毒だけど、志願したとはいえ、過酷な環境にぶちこまれるアメリカ兵もなんともかわいそう。戦場での体験も悲惨だけれど、休暇で本国に帰ったときの戦場とのギャップに押しつぶされそうになるのが、もうやりきれなかったです。このシーンに関しては、私の深読みです。映画ではそんなに深刻には描かれていません。が、戦場では爆弾の信管を抜く、という神業的手仕事をしている指先が、本国では雨どいにつまった落ち葉を取り除くことに使われ、戦場ではいつでも一瞬にして的確な判断を下す必要がある立場なのに、休暇中にでかけたスーパーで「シリアルを探してきて」と頼まれ、数十種類もあるシリアルの棚の前で立ちすくみしばらくどうしていいかわからなくなるというシーン……。さりげないですが、天国と地獄の差、のようなものを感じました。戦場のシーンも「これは作り物だ」とわかっていながらも、もう今にでも自分の命がなくなりそうな緊迫感があり、圧倒されました。

ラストシーンも痛かったです。ネタバレですが、映画の中では主人公は死にません。が、休暇があけ、あらたな赴任先で仕事を始めるところで映画はラストを迎えるのですが、「次の帰還まで365日」というテロップが流れます。1年無事に乗り切らないと本国には帰れない……。

ハート・ロッカー観に行くんだ」「ハート・ロッカー観てきたよ」というと、映画ファンでない友人までもが「え?どうだった?」と聞くのにはびっくりしました。それだけ社会現象なんですね。地味な映画ですが、オスカーを獲れたのはよかったのかもしれません。平和ボケしている日本の外では、今でもこういう悲惨な状況にある国家がまだまだいっぱいあるんだよ、ということがわかるだけでも。


子どもがいる立場では、自分の子供が兵役についたら、とか、自分の子供が戦場に住んでいる立場の子で、映画同様悲惨な目にあったら、などなど考えてしまい、かなり心が痛かったです。


たかが映画、されど映画。いろいろなことを考えるのにいい体験をしました。


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