ナイアガラの滝



カナダ・北米に行くなら、やっぱりナイアガラの滝の観光ははずせないっ!ということで、一日ツアーを申し込みました。日本でよく走っている幼稚園バスくらいの大きさのヴァンに、私たち親子、ヴェトナム系スイス人の若い女の子一人、フランス人のおばさま一人、そして、中国系カナダ人親子三人の計8名のツアーでした。二日目ということで、時差ぼけでフラフラのがきんちょ2号。ホテルに迎えにきてくれた運転手兼ガイドのトニーさんから「だるいの?大丈夫?」と聴かれる始末。時差ぼけなんですよ、というと納得してくれました。

トロント市内からナイアガラの滝までは1時間ちょっとのドライブ。フリーウェイを走っていくうちにがきんちょ2号は眠りに落ち、私は車窓の風景を楽しむことに。寄り道したいお店がてんこもりでしたが、そういうわけにもいかず……。途中で世界遺産に指定されているナイアガラ・オン・ザ・レイクという街にたちよって、お買い物ができたからまあよしとしましょう。

そしてそしてやっとナイアガラの滝とご対面。さすが世界三大瀑布といわれるだけあります……


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総勢8名のバスツアーに参加してみて、一番印象に残ったのはもちろんナイアガラの滝……ではありませんでした。もちろん、ナイアガラの滝は大迫力で、自然の壮大さに息をのみましたし、大自然の前での自分の小ささにおののいたのも事実です。ただーし、それを凌駕するものがありました。そ・れ・は!!!!!


ツアー参加者同士の人間模様です(笑)。ものすごくおもしろかった!!!ナイアガラの滝にたどりつく途中にたちよった場所でも、ナイアガラの滝でも集合時間を守らなかった人がいました。誰だと思います?私たち日本人グループ?束縛が嫌いなフランス人?自己主張が強い中国系?おとなしいヴェトナム系スイス人???????答えは一番おとなしそうだったスイス人の彼女でした。最初に遅刻したときは10分近く遅れたんだけど、ごめんなさいね〜とあやまりながらバスに乗ってきたからみんなもOK!って口々に言ってたんだけど、2回目の遅刻のときはまず中国人グループが口をきかなくて、3回目の遅刻のときは、フランス人と我が家の旦那がいや〜な顔丸出し。かくいう私は子連れということもあったのでお互いさまかなぁ……でもむかつくなぁ……こういうときは、ヘラヘラしてないで不快感を示したほうがいいのかしらどうしようかしら……と迷い中でした。そんなさなか、中国系の中の一人、おばちゃんが「私彼女大嫌い。許せない。もう置いていきましょうよ!」ときっぱり宣言。さすがにガイドのトニーさんが「それはできないし、遅刻する人って、毎回絶対いるんだよねぇ」とフォローしてましたが、おばちゃんは引き下がる気配なし。そんな中、当事者のスイス人の彼女がお土産やさんの袋を持ってニコニコしながらバスに乗り込んできました。凍りつくバスの中。そんな空気を破るように、おばちゃんが彼女に対して「私あんた嫌い。何度も遅刻するなんて信じられない!」と一喝。それでもスイス人の彼女はニコニコしながら「ごめんなさい、時計を持っていないから」と言ってのけました。この一言がおばちゃんの怒りに油を注ぐことになり、「時計をもってないんだったら、お店の人にききなさいっ!とにかく私はアンタが嫌い!」と叫ぶ始末。さすがの彼女もしゅんとなってしまいました。その後は怒り心頭のおばちゃん、おとなしくなった彼女、眠たいがきんちょ、むかつき顔のフランス人と我が旦那、我関せずのおばちゃんの家族、そして沈黙の中「どうして普段英語ってわからないのに、人の悪口とか文句のときの英語ってちゃんと聞き取れるのかしら……不思議だわぁ」とひたすら不思議がっていた私が同じバスの中できまず〜くトロント市内に戻っていった次第です。


とここまでだったらよくある話なんですが……。トロント市内に入るやいなや、中国系のおばちゃんが急に「そうそう、私たち行きはホテルから乗ったけど、このあたりに親戚があるからこの先のスタバでおろしてよ!」と言い出しました。トニーさんが「急に言われても困る」というのを「とにかくおろして!」というおばちゃん。おばちゃんたちがおりたかったスタバは道路の反対側。スタバに入るときもスタバから出るときも運転に苦労してたっけ。かわいそうなトニーさん。スタバでおりていくときにも「メリークリスマス」も「ありがとう」も何も言わずにおりていったし、トニーさんにチップも渡してなかったみたいでした。バスに戻ってきたトニーさんが運転席に座るときに「はぁぁ」とため息をひとつ。さすがに気の毒でした。それにしても恐るべし中国系のおばちゃん。さんざっぱら人のことを「自分勝手」「わがまま」と非難しておいて〜まあ、非難されても仕方ないことをやらかしてましたけど〜自分も言い分を通すなんて、やっぱすごいです。日本人がおとなしすぎといわれればそれまでですがね。


おとなしい日本人の私たちは、ホテルに送り届けてもらったときにちょっとチップをはずんであげてしまいました。そのときにトニーさんがすんごくよろこんでくれて(ほんのちょびっとしか増やしてないのにもかかわらず)メリークリスマス、ハッピーニューイヤー、旅行を楽しんでね!と言ってくれたので、ほっとした次第です。


って、なんでほっとしないといけないの?私たちが。それにしてもスリリングな一日でした。おかげでナイアガラの印象があまりない……。まあ貴重な経験をしたからいいとするべ?