やっと入手、サイモン・ラトルwithベルリンフィル「冥王星つき惑星」


冥王星が惑星から格下げになった途端にリリースとなった、サイモン・ラトル〜正式には「Sir Simon Rattleサイモン・ラトル卿」です!がベルリンフィルを指揮した「惑星」。これはなんと、ベルリンフィルが委嘱した「冥王星〜再生する者」を付け加え、天文学の「惑星」とホルストの「惑星」の数合わせをしたもの。今となってはまたもや「数があわなく」なってしまったのですが。それに加え、さらに「惑星」にインスピレーションを得て委嘱作曲された4曲
小惑星4179〜トゥータティス」
オシリスに向かって」
「セレス」
「コマロフの墜落」
追加という、夢のような、そして、今後はありえないとりあわせの2枚組CDです。


アマゾンのレビューはこちらを参照

ホルスト:惑星(冥王星付き)

ホルスト:惑星(冥王星付き)


数多のレコーディングをくりかえしてきたホルストの「惑星」。その中でも、このサイモン・ラトルベルリンフィル版は、今年の3月に3日間にわたって収録された最新版です。サイモン・ラトルは昔、イギリスのオケで「惑星」をふったことがありますが、それはかなり前のこと。今の彼はベルリンフィルの芸術監督という立場です。「ベルリンフィルと子どもたち」というDVDでは、子どもたち相手に「春の祭典」を教えて、演奏にあわせて群舞させるという離れ業をみせつけています。

ベルリン・フィルと子どもたち コレクターズ・エディション [DVD]

ベルリン・フィルと子どもたち コレクターズ・エディション [DVD]

ベルリン・フィルと子どもたち スタンダード・エディション [DVD]

ベルリン・フィルと子どもたち スタンダード・エディション [DVD]

たかが、ドキュメンタリーと侮ること勿れ!ぜひ一度観てください。「ベルリンフィルと子どもたち」。移民の子たちが劣悪な環境から這い出していく過程を観るにつけ、涙がでますよ。


ホルストは、作ろうと思えば「冥王星」を付け加えることもできたのです。あくまでも「作ろうと思えば」の仮定においてですが。彼の死の4年ほどまえにアメリカ人の天文学者により「冥王星」は発見されました。でも、もともとホルストの「惑星」は、以前にも書きましたが
http://d.hatena.ne.jp/nohachan/20060827/
天文学」ではなく「占星術」の考えを元に作曲されたもの。その上、ホルストにとっては過剰ともいえる世間の評判、そして彼の意図とは違って「軍事時の意識高揚」のために「惑星」を利用されてしまったというなんともいえない出来事のために、「冥王星」が発見されたからといって曲を付け加える気はさらさらなかった、というのが現実です。


さて、今回付け加えられた冥王星+4曲のうち、ひとつだけ、星関係ではないものがあります。それは「コマロフの墜落」。
「コマロフの墜落」とは、ロシアの宇宙飛行士ウラジミール・コマロフ陸軍大佐が、「ソユーズ1号」に搭乗しバイコヌール発射基地を飛び立ち宇宙空間を飛行したのち、地球に帰還するべく下降した際、こともあろうに衝撃緩和のパラシュートの糸がもつれて墜落死(というか激突死)してしまったという悲劇をもとにかかれているものです。彼は「人類最初の宇宙における死亡者」なのです。今から39年前の出来事です。聴くからに心臓に悪い曲です…。


冥王星つき惑星」。ぜひご購入ください。そして、「ベルリンフィルと子どもたち」はまずレンタルでいいので、観てみてください。それでハマったら自腹で購入!その際は多少高くても、「コレクターズエディション〜7245円のほうをおススメします。5.1チャンネルで音質がとてもいいので!。ストラヴィンスキーの「春の祭典」は現代曲ということもあり、聴いているとしんどいですが、フィナーレ部分は鳥肌モンです!